・日本で改良された、日本唯一の愛玩犬
狆は、中国から朝鮮経由でやってきたチベットの小型犬がルーツといわれ、ペキニーズにも繋がりがあるようです。
『続日本記』には、732年に朝鮮から犬が贈られた記録があり、さらに『日本書紀』にも、672年に天武天皇に朝鮮から動物が贈られたと記され、これらは狆の可能性があるようです。
しかし、シーボルトの記述では、戦国~江戸時代にかけて、ポルトガル人がマカオから持ち込んだペキニーズが、狆に改良されたとあります。
どちらにせよ、海外から日本に持ち込まれて、和製漢字の「狆」(屋内で飼う「ちいさいいぬ」の意味)と呼ばれた犬が、改良されながら現在の姿になっていったようです。
・将軍綱吉に愛され、イギリス女王にも献上された犬
狆は、近年の洋犬ブームで人気が衰退し、街で見かけることは少なくなりましたが、江戸時代には「犬公方」として有名な5代将軍徳川綱吉に愛され、盛んに繁殖が行われていたようです。
1853年にはペリー提督がイギリスへ持ち帰った2頭の狆のうち、1頭をイギリスのビクトリア女王に献上したといわれています。
・抜け毛や体臭も少なく、おとなしいため、愛玩犬には最適
狆は、シルクのようなふさふさとした毛並みをしていますが、抜け毛や体臭も少なく、室内飼育の愛玩犬としては最適です。
明るく活発ですが、穏やかでおとなしい性格で、愛想もよいので、ほかの人や犬とも仲良くすることができます。
小型の愛玩犬の飼い方で気をつける必要があるのは、飼い主に依存して、いつもそばにいたがるところです。わがままで言うことを聞かない「小さな暴君」にならないように、子犬のうちから、甘やかさずに育てましょう。
・室内での飼い方に必要な最低限のしつけ
元々お座敷犬の狆に、あまり多くの運動は必要なく、利口で問題行動も少ないため、難しいしつけは必要ないです。
しかし、室内で飼育をするので、「トイレ、食事のルール」「していいこと、悪いこと、許可が必要なこと」「止まって待つ」「定位置に戻る」など、最低限必要なしつけを、子犬のうちにきちんと教えてあげましょう。
シルクのような毛並みも、ブラッシングを怠ると、すぐに毛玉になってしまいます。体を触らせるのが当たり前の飼い方を心がけ、日常のお手入れを嫌がらずにさせるようにしつけましょう。
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